風呂場下の現場について


 なんとも無神経で他人事のような報告に就くだけであるが、風呂場下というのは、段差がある所で、ハッタギというより、ガス噴出の仕掛けがある現場であろうという情報である。
 K市に移転したばかりの頃、大変にお世話になったことのある同郷のおばあさんが、近辺の地下の係りを負わされていたことがあったようである。なぜか銃撃で狙われる人となってしまったらしい。撃てないな、という銃撃手の声が届けられたことがある。おばあさんは背が低い方で、農作業で腰が曲がっていたから、決まったブレードの方角では胸を狙い撃てなかったのである。それが、どういう訳かある日この風呂場下に入ってしまって生まれ換わられているようだという。
 父と母を生まれ良く見て、応援しやすい気持ちを保っていたところ、急に「イド」的ないわれの話が始まったりして、結局「イド」になってしまったと思い、残念で涙を流していたと聞かされた。