「二つ食ったのか、どこに失くした」と払い下げられたのであるらしい

  

 壷の管理ぐらいの仕事に預かっていたと見られる。ある日、壷二つ失くなっていることが見つかり、その責任を問われる。
 「手暗がり」の破損品隠しではないかという解釈があった。
 子供の小学入学時に貧乏過ぎて、ランドセルを用意できず、子供も可哀そう妻に頼み込まれて、思い切ってこの際と、盗品売却したのではないかという疑いが出てきた。お古のランドセルを提供してくれるような友人がいなかったのであろう。後で分からないように買い戻す考えであったのかもしれない。
 全部でっち上げられたものかも知れない。
 「二つどこにやった」一時の急転回、ステイ側に回されたようである。「スミ処理」(墨磨りではない)の仕事を任されたのではないか。仕事がうまくいかなかったのか、あれよあれよと掃除係の方に押し出されてしまったという順序であったようだ。
 最早他所に行けばいいのである。