日本国の王様の気位とアメリカ国とイギリス国の屈辱

  (旧街道) 

上の家の前代の父親に当たる者の所業については何度か触れてきたが、この場合もこの頃になってようやくその深い意味を読み取る事ができたと思われる。
 日本国の王様の高らかな拒絶発言によって負わせられた、アメリカ国とイギリス国の屈辱を身代わりする、儀式映画に出演させられていたのである。
 「薬を使って他人の体の一部を食らう者とは同じ部屋に二人いられない。 「いね(去ね)ぇー。」 「せ(為)ぇー。」 
 体の一部とは香港島の事である。 イギリス国の屈辱であった。
 アメリカ国の屈辱は、そのご発言後の、使いの者の行方不明事件であると思われる。 汚物中遺棄を仄めかされていたが、実は報告係の悪意な誇張表現であって、池水は濁りに濁りと詠われているように、池ん中の始末であったと今頃教えられた。
 その身代わり儀式は映画出演ではなく、野天での泥尽くめ投身に過ぎなかった。 この事で偉く汚物的に軽蔑され続けてきたのである。
 第三の所業は、中国を大荷物とした海南島の運搬人にも擬せられた青天白日満地紅旗儀式。 「恥知らず。」 移動人はすべて自分の本来の名前と戸籍を失い、赤の他人の生命と戸籍を奪わなければならない仕掛けであった。 この場合らい病棟等の死亡患者の分を、家族に葬式を挙げないで貰うことにして運び出したのであるらしい。 多数用意しようとしてつい、まだ息のあるお母さんの顔にまで手を掛けてしまい、悲鳴を上げられた事があったという。 事情を知らない看護婦さんに警察を呼ばれたことがあったのではないかと思う。
 明日にきっと、究極の大文学者、大哲学者が現れると信じ頼みとした、覚悟の請負であったのであろう。