推理の証拠品をもう一度羅列してみよう。

 基本的に縄文人とは別個の渡来ケースと考える。 言語で言えば、バスク人とも連なっていると想像される。 タミールとの連絡説明の付かない基本単語の類似性の発見。 眼の前の東南アジアに渡れば、揚子江を一瀉千里に下って、雲南地域で獲得した水田技術で江口平原の支配者となる。 雲南地方の棚田を見たことがあるだろうか。 それが越人である。 越人は蔑称を受けていない。 越とは遠隔という意味より、山越え渡来という意味を特に指している名称であると思われる。 バスクの風景と重なる。 日本に越人が渡って来たという伝承があるようである。 呉越同舟等、何らかの働きがあるが如く呉越時代の熟語が特別に日本人に親しまれている。 越の国、出雲の国というのも越人渡来の意味を潜めていると推理した。 特に雲が出ずる国というだけではあまりに漠然とした命名である。 出雲も越も舟が辿り付きそうなそっくりの地形地を有していて、越の国には出雲崎がある。 雲南より出ずる意味と解されまいか。 岩手県に農業儀式の証拠と共に雲南の地名が残っている。 他県にはないものである。 地中海人は巨石文明を担っていた人達であろう。 大陸西端からインド南端、東南アジアと伝わった跡があるという。 特定ルートで他には見られないようである。 しかし中国には進まず、太平洋の島々に抜けたようである。 従って日本にも伝わっていない。 日本に伝わったのは水田農法と単語と納豆と着物と肌脱ぎと月代と刺青と物語の数々という事になる。 ハワイ人も地中海人の一派であると言われている。 ところで越人とはどういう人達か。 中国に行けば分かるだろうか。 中国にはもはやそこには漢人しかおらず、越人たるものは一人たりともおるまい。 スペイン語と日本語とハワイ語の頑固な母音終り原則の共通性も簡単明瞭に納得させられる。 シュメール人との共通性も挙げられることがあるが、この連帯性ベルト内の事として解釈されよう。 顔は六角形が原型であろうか。 古代文明の担い手達であったという事にもなろうか。 ドラビタ人、タミル人、シュメール人ピラミッドエジプト人(頭幅大の特徴と巨石文化)。 古代都市文明は巨石文明の延長である、と民族の新たな足取りの証拠採用とその推理考察によって主張され得るのではないか。
 地中海人とはアルタミラの洞窟画を残した人達である。