まいこ

 現在、京都独自の振袖姿の小妓の特称。
 文献資料的には、元禄以前には江戸で踊り子を称する京言葉であったという。
 舞子の浜。 須磨の浦近く淡路島対岸の日本的景観美代表の白砂青松。 ここを原点として各地にこの名の海岸があるそうである。
 金閣寺の観音様のようなふくよかな麻衣子様が遥遥イベリア半島宮廷にまで運ばれていたことについては、王室の側でも自覚があることのようである。 Mai wa terezu. Mai wa terezu. (Be confident, Mai. Be confident, Mai. Incantation for herself.)
 公家様の御帳台に似た寝台が西洋の王室のお城に伝えられている事がある。 その上の麻衣子様の望み通りを叶えてくれた名残なのであろう。 明石海岸のさざれ石が千代に八千代にいわおとなって、現実に磐石の末広がりを有している世界なのかもしれない。
 金閣寺は秘密には麻衣子を祀るための、日本では唯一の大理石張り宮殿擬似建築物であったのである。