用意ドン、とワシントンとナポレオンまで揃って、後は最後の登場、ラストサムライを待つという態勢が、今に及んで作戦の一つのモチーフとなっているようである。

 世界の現象は、中尉の手紙に示されている中尉の物思いの実現というよりも、物思いの内にあって物思いそのままである、というようなファンタジー、ビャクレル世界小説があったが、そんな天主様のような重要人物にどうして軍人の中尉が出てくるのか、不思議であった。
 何を書くにしても、中尉様の酔っ払い書きだよ、という背景の紹介を受ける。
 実際に、ダンディーで映画に出てくる中尉様のような顔の引き締まった美男の方がわざわざ派遣されていたという。 
 実体は絶対に美男の中尉様だよ、という貴族様方からの要望に基づいた仕掛けであったのかもしれない。
 ラストサムライはナポレオンとワシントンと並ばなければならない、という強い願望と要請があって、その理想像として若きナポレオン、ワシントンの恋人のような軍人姿が置かれてきたものと想像する。
 中尉の物思いの中の世の中。
 ところで、日本に入ったワシントン系列ファミリーの活躍には見事な所があって、前にもいくつか並べさせてもらっていた。
 ショーヤの岬、の美空ひばりさんももしかして、大陸から繋がりのある方ではなかったかと、いくつかの訳があって推理している。
 ショーバイを人生のキーワードとして、日本国の社長さん貫禄、日本の映画界のサラブレッド、また未来永劫の文豪一人二人、そして最近教わったことであるが、日本の戦後政界の君主吉田重氏も私生児として、ワシントン族に繋がっているというのである。
 思えば、官僚となると、外交官となって英国を目指す遺伝があるようである。 大久保利道も疑ったことがあったが、もう一つ連絡が足りない。 
 更に、ロッキーの山並みに並ぶが如く、不世出の実力を発揮中の大リーガーの方もその一人だという情報が届けられた。 不足はあるにしても、300年の大企画の所期するところは果たされつつあるのである。
 ナポレオン中尉の恋人には、以上の日本国の先祖実現例を確認していただき、ご満足してもらうしかないであろう。 何しろ、世界史最高の偉人列に並べる人間が、これからどこからも現れる心配はないのであるから。
 もう一つ。 アメリカ合衆国ロッキー山脈上にわざとしたような正長方形の州が二つ並んでいる。 ワイオミングとコロラド。 このような州はこの二つの他にない。 これは何であろうか。 今決定したことであるが、ナポレオンとワシントンの二人が頂上で太平洋の彼方を待ち望んでいるよ、という挨拶であったのだ。 待たれている長方形を名付ければカサブランカ。 なぜ長方形かというと、ワシントン族の顔形は特に箱と渾名されるように、顎のラインも力強く特徴的に長方形なのである。