自覚深い潔癖なご婦人もおられて、このままでいいとばかりは思っていないようである。

 「しかし私達のような美しいものが逆転されて、腐ったものが私たちを暴き軽蔑すればいいというのであろうか。」
 人を食ったことの反省もなく、次々と東京の美しいものに収まって、埒もなく食い逃げ魂胆ばかりが堆積する世の中を作ってどうしようというのであろうか。
 幽鬼背負い人を集めて、変わりなく美しくあり得る世の中というのであろうが、「何かが違う」 というほどの違いもないとは思えない。