昭和様は、お前山田だな、と大変に喜ばれたのであった。

   日本国中の施設子孫の誰かが、写真家に声を掛けに出てきて、展望は絶対に見せるなと懇願する世の中であったという。 「堰き写真、堰き写真。」 日本と世界の展望を独り占めにしたいような子孫達の仕事であったのか。 人に見せるのを惜しむような食い争いの本能を出せ、ということなのであろう。 どうせ反則食いで学問も景観も繁栄も一人勝ちの、鼠算世間にぬかりっぱなしではないのか。 この松本清張氏のささやかな文庫本の写真にも目を付けて、即座に、大事な神の仕事でもあるようにこのように冷たく雪を降りかけて、風景を寒々としてしまう勤勉さである。 私等が手にする本は、この日本中の百年間の全出版物中の砂の一粒位のもの。 感心すべき本部綱要の差別作業量である。 本能の次には正直な法正義の人間性を示して欲しいものである。