規模が大きい作戦であるから、顔を見てもなかなか犯人と気付かないでいることが多い。

 イト子さんが今更なぜ、と地域の人に無念がられているのであるが、とっくに別の人になっていたはずの近隣のツギさんを信用してしまったのではないかという、推理探偵ボランティアの方の報告がある。 いつの間にかなじんできて以前の人のように付き合い、いい人のように思ってだまされてしまったのであろうか。
 ツギさんも賢い用心深い人であったが、ガス室に入ったか口の中に何か入れてしまって帰らぬ人となったようだという。
 やらないでいくのな、と言われた時、はいやらないでいきます、とさわやかに腹をくくった方が長生きできているという計算結果が出ているそうである。
 殊更に不良っぽく市民を騒がすことを専門としたよう組織担当者がいるので、いかにも犯人は不良っぽい人ばかりのように思いがちであるが、実際に声を掛ける人を見れば決して不良には見えないのである。 おとなしいばかりでなく、落ち着いた紳士や公然とした業務に出会っているのかもしれない。
 表面的には馬鹿なばかりのようで、大きな算数計算を根拠にした事件が多いのであるが、このように、作戦的にも巧みな企みであることが多い。