分家の分家の娘さんは、白い歯の口跡鮮やかな感銘深い人であった。

 上の家の兄が何かの有縁の者とも思い、老人になってから、その生活に付いてみたことがあったようである。 顔も洗わず歯も磨かないでご飯を食べる、という声がわざわざ届けられる。 このお祖母さんの驚きの声であったようだ。 千年の恋も冷める、とはこの時の目の前の母親の口にした言葉であった。