ところで、上の家を含む京都男山家系というものはいかなる人達であったろうか。

 九州の隼人族である。
 建国神話のいわくもあって九州隼人族の大和王朝内における活躍は歴史以前に遡るくらいに古い。
 道路で犬のように吠えさせられていたというのは、年々の今来隼人ばかりの仕事であったらしい。
 九州人も場合によっては妃として迎えられていることがある。
 仁徳天皇の子履中天皇の時代に、天皇の弟王の近習となっている例がある。 天皇の別の弟命に持ちかけられ自らの主たる王を討つのであるが、命に欺き殺されている。 その弟王の手から履中天皇を守ったのが田村氏の先祖阿智直であるという時代である。 (弟命が反正天皇であり、倭の五王の珍と目されているから、438年以前の事件と推測される。)