王様は、エントロピー熱帯に人類の明日はないと考える方であったようである。 

 酒飲みも結局はだめ。 エジプト、ギリシャ、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス、スコットランド、北欧、と段々にエントロピー小の寒冷地に頭脳の天才は移動して行く。 スコットランドには究極の分別の誕生地たるべく期待が掛けられ、実際にその計画と遂行の成果が歴史年表に記されている。
 決定的にはロックとバッハに因むべきである、と命じられたのもこの時代の王様であったろう。 バッハかロックかという選択問題に転じて、音楽のジャンルの実現に変じたのは後世の冗談であろう。