昨日の地方紙は北松斎子孫系列の紹介で持ち切りであった。

 瀬川氏と同様右眉毛に際立った特徴がある。 瀬川氏は遡ると何と北氏の親戚の者であったという。 ということは、南部氏の分れということになる。 水前寺清子さんは瀬川氏の庶子であることによって、自分達こそは源氏の確かな血筋の者であると公言していたそうである。
 これは意外なる歴史事実の発見であった。 
 それでは遂に、上の家の精一も涼子も、いわゆる南部氏庶子の仲間ということになるではないか。 簡単にも大名の子孫という筋道に収まることとなる。 誰も考えた事ではなかった。 
 そもそも精一は白木埜種子島人と瀬川氏じんせい人とを両親として生を享けた者なのであるが、誰も深く詮索しようとはしなかった。 種子島まで探偵追究したのは、徳川氏の方であったと伝えられている。 「島津の者には潔白だよ。」