黒海から日本海まで。 テーチス海仮説。(by Adams&Co.)

テーチス海は黒海から始まり、カスピ海アラル海と進み、チベット高原エベレスト山脈を包んで中国河江の大平野に渡り、黄海東シナ海を東の果てとする。
地学が教える意外な真実の一。 大山脈は必ず浅海の海底から隆起する。 異常に分厚い地層の重なりを条件としていることと、その穏やかならぬ褶曲と断層の姿が、その高低差の大きい隆起の証拠である。
         一。 朝鮮半島は氷河溶解湖が決壊した時点の突出地形とみなされ、日本列島弧はかつて黄海を塞ぐ大陸の一部であったが、太平洋プレートの陥入によって徐々に大陸から引き離されたものとみなすことができる。
即ち、日本列島は大昔のテーチス海東岸を成していて、地球史上稀なる大地中海地形成立の一臂となっていたのである。
         一。 石灰岩は、アララト山を唯一の取り付く島とする程の大洪水によって、南欧の岸々に運び込まれ積み上げられたものとみなすことができる。 ギリシャ、イタリア等の大理石名産地の位置を確認していただきたい。
         一。 他に有名な石灰岩景勝地。 洞庭湖南の桂林。 日本中国地方の秋吉台。 四国の四国カルスト
石灰岩はすべて、テーチス海の、特に静かで深い海底だけに堆積生成されたものと推定することができる。 
かくて、ポルトガルにある石灰岩と日本の石灰岩の存在は、必ずしも世界各地にありふれたものの一致ではなく、テーチス海という稀なる地形の特産物であるものの分有であったわけである。
世界史プランは、東端の国に先ず雪会式という国際事業を企画し、次に白亜の城という雪白文化を設計し、共に今日、世界の遺産賞を受賞している。
ギリシャポルトガルの海岸の、人の世に最も清浄潔白なる、石灰岩の輝きに導かれたアイディアであったと思われないであろうか。