コピーしている者自体


コピーしている者自体、山平の家の嫁の子でないという話がある。
実際、計画があったらしい。
第三の男のように、壁のようなものから現れて紹介されている。
ガレージにいたのか、活動員をしていたのであろう。
おいらはドラマーとなって確実に出演することのできる、少なくとも偉丈夫の名優にはなってもらいたいという願いであったろう。
You have a gift! リズム感は保証されていたのであろう。
ところが近眼の薬害児に育ってしまい、夢は実現されそうになかった。
大胆にリズム音痴に狂わされ、人の輪に入るタイミングさえ外れていたものである。
本当はそんなに片輪な人ではなかったのかもしれない。


隣村の娘と鉱山で出会い、一緒になった人の子供だという。
中学一年の頃、病室でその親族の人たちと巡り合わされ一緒に起居したことがある。
実際にその地域の関係者というばかりでなく、その見立てで、幻とされた者の体現者として、多くのロックスターとか丈の高い男優が出て活躍しておられるのである。


この計画もいざとなってから、取り止めになったのであろうか。


他人に言われることさえなければ、当たり前に戸籍簿どおりに、先祖の父と母の子の父と母の子であることは、一度も疑うことのないことである。