木下開山者とされ、予め、棒の先に括られ抛られた男の行く末


どちら側にも工作的に痛ましい事件を負わせて、それを釣り合わせる対比物とする目的で、イギリス人の地下組織活動が、東洋人を大きく振り回してきたことが、今はっきりと見えてきたようである。
なかなか大掛かりな舞台づくりであったと思う。


日本国の荒野に出逢い、長島町の農家二軒の話とまるで正反対の体験を押し付けられた気持ちは、味方がまるで無力な敵陣の中をたった一人、抵抗する者みたいにして歩いて来たようなものであったろう。


男は行き倒れたようだ。
女性が本当にその男の子供を産んだのか、証拠のあることではない。


東北地方も奥深い長島町の本屋敷の家に、大正十五年2月17日、非常にきまじめで規律正しい努力節制家の生涯を送った、長男健一が生まれている。