いろいろないわれ

大工仕事を離れただけの少年に、バッハ、バッハ、ヘンデルハイドン、ベートーベン、カント、カントと、西洋人だかが口約束したという事があった。
頼まれた西洋人本人も本気にしたのではない。
この時の西洋人一派は何か悪い冗談をからめているようだ。
今に及んでよくやることである。


じこうまち、じこうだんというのがある。
待っている、と言っただけである。
自ら言わなければ分からない事情の事ではないだろうか。
やったと言うので、入団することになったのであろう。
わざとでも挙げられたくない人なら、この途を選ぶであろう。
やはり大きなグループである。


蟹のはさみみたいに耳に指をかざして、ツー、ツー、ということがある。
グーチョキパー、のはさみのことでないだろう。
岳村の明治十年代の一農家の状態に事を発していると思う。
十歳以上も離れた兄弟のいる母子家庭。
それからしばらくして、人をまるぐみたいに、ぐるっととり囲んだという強制的な事件。
のはず、という伝説的な裏工作の想定写真。
ぶたにながらかんつうものでございます(二人ながら関東者です)、という落語のなまったオチを聞かされたことを思い出した。


やったはず、と疑いをかけることがある。
この場合誰かが目撃したのではない。
確かな事実は地下から電波で誘いをかけていたということである。
傍に人がいたら絶対にやらないことであるから、やったのではないかという想像しかないのである。
似たような動作にまで動くことはあろう。


ごうとう、などというとびっくりしてしまうが、スリの真似で、長い物の「糸を引い」ていたというような話かもしれない。
ゲバゲバ90分」というのはびっくりカメラといって、町角町角で偽装芝居を演じて、あっと驚かせるいたずら番組であった。
90分間のゲパルト状況という真実を下敷きにしていたのかもしれない。
「3分間勝負」というのがあるが、3分間の忍耐で入団の儀式を踏み、人生の勝負を賭けた、といういわれを含まされているのかもしれない。
新聞紙を丸めたような物を手にして、行ぐ、捕れ、と言った者がいたという。