イギリスの王室の系図を眺めてみた


最初のアルフレッド大王の家系は、一時、デンマーク王デーン家に取って代わられている。
しかし、その後、後にそのデーン家の王の后となる、デーン家と同じバイキング族であるノルマンジー家の娘を先に后としていた、アングロサクソン系アルフレッド大王家の王の息子が王位を継いで、アングロサクソン系の血筋を復活したようである。
しかしそれは一代限りで、デーン家と共に途絶えてしまっている。
ちょうど鎌倉時代の北条氏の時のように、結局その娘の実家であるノルマンジー家の別の家系に王室が移っているのである。
しかしその最後のアングロサクソン系の王のひ孫に当る娘がノルマン系の王と結ばれ、その孫が、ノルマン系が絶えた後のプランタジネット家の王となる。
以後も同じように女系の繋がりを保証背景にした王朝名の移り変わりが何度もあって、現代まで続いている。
嫁ぎ先の婿筋が迎えられるのだから、外国由来の王朝となる。
フランスの王家筋とかドイツ、ハノーバー家の婿とか。
ハノーバーの王は、予想もしなかったことなのだから、英国にきても英語がしゃべれない。
当然国政には関与できない。
アン女王もスポーツ好きで国の政治にはあまり関与しなかったそうだが、今の世に数多い、完全な内閣請負制度はこの縁によって、世界初に生れ落ちたものだといえようか。
思わぬきっかけによって、人の世の重大発展があるものである。


ついでだが、偶然の出会いによって進化発展してきたものに、人間を考える。
生まれるぺくして生まれ、宇宙無慮の星屑のその惑星上にも、似た知的生命体がまた無慮数にも発展している、と考える一つの傾向がある。
どのような偶然によって発展の途が分かれていても、結局は宇宙を認識し言葉を持つ、可塑性ある脳細胞の生命体に至る、といった統一的な考えには魅力がある。
いずれにしても、地球の偶然に視点を限れば、赤道上に、珍しくも、万年雪を頂くキリマンジャロケニア、ルウェンソリのアフリカ最高三山と、シャーレみたいな地溝帯とその湖のある生息環境がなければ、人類は、旧石器人をそこで産み、旧大陸中に広がり、次にまた新石器人をそこで産み、今度はアメリカ大陸にまで広がって、テレビを観たり、アルコールを飲んだりはしていないと思える。
新人類の誕生は稀なことなのである。
アジアでもイランでも中国でもイタリアでもオーストラリアでも生まれなかった。
どうしても、赤道直下、地溝帯、そしてキリマンジャロの雪のある所で生まれ変わらなければならなかったのである。
類人猿の知能に至るのも想像を絶する特殊な経路があってのことだろうが、地球ぐらいの大きさの星に以上の条件がそろうことなどはあまり難しくないことかもしれない。

科学者のなかには、滅多にない進化発展を併発的に考えたり何となくグループ発生的に考えたりすることがあるが、よくある突然変異でない限り、絶対に唯一単発の現象であると普通に思うべきである。
従ってその発展は他にはなく非常に稀なことだったのである。
全ての人類の不可逆的で有意味な発展は一人の人間の遺伝子生成事故に由来している、という大まかな結論が立てられるであろうか。


イギリス人は、日本でばかりではないが、日本全国土を地下電磁波網に収め切るよう、一種碁盤目状に地下壕の配列で、山となく川となく民家の寝床の下となく学校の下となくスーパーの下となく国会の下となく皇居の下となく競技場の下となく、余地なく日本列島を敷き詰めてしまったようだ。
担当の忠実な係員を置いて。
日本全国土の膨大人数の設備係を安定的に担うよう、供給配置されている人達というのはどういう人達であろうか。