アン箱はデカルトに夢を見せたか


どうやらイギリス人の地下活動には、女王様や王女様達が連絡し合って後援していたレンズ暗箱活動というものが先行していたようである。
変わった人類史の秘密であるが、オランダの透視画法絵画というものはその最初の、芸術学術に対する最先端を成した功績例であろうと思う。
デカルトは、オランダやドイツで、根底的に基本的な考えと逃れようもなく対面し、それを人類史に収めている。
すなわち、認識と共にあるのは心であって、物は認識にとって絶対的に超越者であること。他人というものも。
最初の大きな仕事は、レンズにおける光の屈折についてであって、「驚くべき発見の基礎を理解し始めた」という。
ベーコンは幻影があらぬものをあると思ったりさせる因である、ともっと事実に即する方法を提案している。
偶像とよく訳されているが、誤りであるという。
その一つに、洞窟の幻影というのがある。
各人は自然のままの光を屈折し汚染する洞窟を持っている。
以上の、一人はオランダにいたドイツの王女様を相手に学を進め、その「哲学の原理」をささげ、スウェーデンのやはり若い23歳の学問好きの女王様に呼びつけられて、肺炎で亡くなっており、一人はかのエリザベス女王の下に長く国会議員を勤めている。
13世紀の世にも、科学的方法の真実の先達ロジャーベーコンが拡大鏡を発明しているので、キャンドルライトと鏡やレンズを使った暗箱活動は早くから可能であったのである。
ライプニッツは一つ一つが世界を写しているように世界をいろいろな明晰度で表現しているというモナドジーを着想するが、ハノーバーに居所を定めて、宮中顧問官となり、その選帝侯とその夫人及び公女に信任されたという。
公女がプロイセン王に嫁すると、ベルリンにおいても重んじられ、自分が作った学士院の初代院長に推されている。
二大著作の一つがプロイセン王妃のために書いた「弁神論」である。
その公女の兄弟が、イギリスのアン女王の後を継いだジョージ1世である。
選挙侯の夫人はもともとイギリスのスチュアート家出身のファルツ伯夫人を母とするのであるが、アン女王の息子が次々と若死にしたために、スチュアート家が途絶え、ドイツのハノーバー家が頼まれたようである。
このハノーバー家がそのままウィンザー家として今に及ぶ英国の王室の家系となっている。
ライプニッツは、選帝侯の嗣子がイギリス王になるに及んで宮廷との関係が疎になり、晩年はやや不遇であったという。
オランダで生まれたスピノザデカルトが亡くなった時、18歳であったが、自由なオランダの大学にデカルト派がいたためデカルトに出会い、神学的存在論と人の心の救済の教説以外は、デカルトの思想を汲み取り焼き直すことになる。
住居を移して、レンズ磨きで孤独な生活の費を得ながら隠れて住んでいたようだが、45歳で亡くなる時は、長くハーグに暮らしていたようである。
ハーグにはデカルトが出合ったファルツ侯フリードリッヒの娘、エリザベート王女が亡命していたオランダの宮廷があった。
今気が付いたのだが、ライプニッツが信任されていたハノーバー家の選挙侯の夫人ソフィアが、デカルトの運命の人、ファルツ伯フリードリッヒの長女エリザベート王女の妹ではなかったか。
エリザベートの亡命というのも、恐らくスピノザと同じく、デカルトの「新哲学」にいかれてしまったからであろう。
妹ソフィアはハノーバーに嫁し、プロイセン王に嫁いだ娘を信心深く育て、ためにライプニッツは「弁神論」を書かなければならなかったのである。
このソフィアがスチュアート家のエリザベスを母としていたために、息子ゲオルクルートウィヒがジョージ1世となって、アン女王の後の英国王位に就くことになったのである。
暗箱の仕掛けから逆に、人間の世界認識の根本的な条件のヒントが得られ、次々と暗箱的観念論の奇想が、中世の実在論唯名論を綯い交ぜにして「あやとり」のように編み出され、シャボン玉のように膨らんで、人の世の学問史を賑わして来たと思ってみよう。
スウェーデンを真向かいにするケーニヒスペルクで一生を終えたのはカントであった。
ヘーゲルの額で思いつくことがあった。
鏡額である。
暗箱から「鏡」に写し撮らせる世界観念と文学世界。
写すスクリーンは、実は額でなく眼の瞳の奥にあったのであるが。
偶然かカントは英国から移住した人の子孫であるという。
板額というのは、英国やアイルランドの人々にたまに見られる特徴である。
アーリア人以外の旧ヨーロッパ人種に多いのかもしれない。
地中海人種がいるというスイスからは、ルソーが出ている。
デカルトブルターニュ地方と何かの関わりを潜めている人のようである。
新しいが、ゴーギャンをいきなり思い出した。
そして、ルソーというと、英国のラッセル卿の風貌を思い出す。
新しくなると、賑やか過ぎて、顔の特徴などでそろえられるものではないが。
このくらい古いと、前に述べた、大友宗麟の人妻事件がこの暗箱ガラス術の悪戯ではないかという疑いに信憑性が増してくる。
サンタクロースの伝統のある北欧王国に一つの由来を持つ大きな歴史の秘密であって、そのいわれもあってか、人類の最高の学問上の功績を称えるものに、他を圧して、北欧の国の与えるノーベル賞というものがある。


今や、あんど運動は人類発展の阻害物となってきている。
どうせ人間のやることは、穴がなくても陸で誰かがやれることなのだ。
いつの世にも、トップからの順番など欠ける心配はない。
エリート作りなど傍迷惑なだけである。
かつて日本の教育の場で、地下から英語学習の差別電磁波を発し続けていたという。
英語ができなければどこの大学にも進めなかった。
そうして、大学進学ばかりでないいろいろな手もあって、人生の発展に大きな差をつけられてきた人達がいるのである。
地下からの電磁波というものは自覚して注意しているとどういう手があるか分かってくるものである。
英語学習でも混乱術といったこまい手があって、どうしても覚えられない、区別できない、という心理状況に落とされてしまう。
英語というのでもないが、随分後になって簡単に納得して覚えられたりした時には、いやぁ、何十年と馬鹿を見てきたなぁ、とつくづくと無念に思うのである。
ついでにコピー手は、金を取れる基礎の何一つもなく57の年を取り、妻もなく子もなく、経験もなく、常に、ァったな者と蔑まれる状態で生きてきた者である。