戦友


もしかして、有島武郎川端康成井上靖三島由紀夫、彼らは昔「戦友」だったのではないか。
狭い社会である。
文学界のトップを少し並べただけである。
健一も、息子の私が精神病院に強制的に収容されて一年後、引取りに来いということで、みちのくからはるばる、宮崎まで訪れたことがあった。
私が臨時雇いの工員勤めをしていた、圧ぺん麦飼料会社の社長が「戦友」だったという。
「わらしを見ても笑う、親を見ても笑う、ということだった」
「何もできていないでいたのな」