電磁波催眠術について


北上中学校の下にカーテンで仕切った医務室を設えて、うら若い女性を次々と眠らせているという。
アイディアは、一頃の流行り言葉のような記憶のある、子供の悪戯遊び「お医者ごっこ」からであろう。
コピー係りが小学生の頃、白血病だとか言われて北上病院に通っていたことがあった。
ある日、若い女性が母親と一緒に悩ましげな表情で待合室に座っていたのに引き合わされたことがあった。
体格のいい美しい人であった。
そっくりに診察室はカーテンで仕切られていて、何人かのお医者さんが患者さんを待って並んでいた。
その女性は局部に何かの腫れ物でも出来ていたようで、お医者さんが屈んで調べている様子まで外から窺えた。
顔を下げていたので、立ち上がったときにお医者さんの顔が真っ赤になっていたのまで思い出す。
何も悪気も照れもない自然現象であるが、人によっては誤解してしまうような場面である。
昭和30年代の県立病院の診察室で、カーテン内には椅子しかなかったのである。
はっきり思い出される記憶の一つである。
患者さん側から先生を指名するようになって、特定の先生だけが神様のようにもてはやされていた。
そういえば、身近で、同じように特定の人が神様のように噂され尊敬されるという、ファッショ的な現象がいくつかあったものである。
埋もれた理科博士という東小の教頭先生とか。
中学の時の同級生の一番伝説とか。
その時の中学校の校長先生にも、別格な方だというような崇拝性の空気が取り巻いていたように思い出される。
謙虚にも、何かしら奇特な事を励行しておられるというような、神秘な雰囲気の先生。
先祖が六部行脚して、新渡戸稲造が十和田を拓いたように、二子町を切り拓いた人であったと思う。
コピー係りは先祖が六部の方と出会わされていたのである。
小学3年の時もその子孫に当ると思われる同級生を友人に紹介されていた。
あっ、そういえば、小2,3の時の担当の二人の女性教師の方も、二子町の開田の恩人である六部回国僧を先祖とする方達ではなかったろうか。
この先祖は、古くは、初代の二所関親方と並んで、和賀地区出身を代表する偉人として紹介されるほど有名人であったようだ。


女性を眠らせてしまう電磁波麻酔のことであるが、地下室の特定の「電子レンジ室」でないといけないということはない。
麻酔液を吸盤具で注入する手もあるが、それは急な無理矢理なやり方ではない。
電磁波麻酔はかけられると逃れられない程、強力なもののようである。
陸にいても地下からの電磁波で、お客さんを前にしていても眠り込みたくなるほどのことがある。
修業中作業中、一ヶ月も催眠電磁波を掛け続けられたら、まず誰でも死にたくなるほど苦しいものである。
何時の頃のことだろうか、ある美しい女性に淫らな情欲を募らせた挙句に、地下から無理矢理に眠らせる電磁波作業を絡ませて、女性の部屋に立ち入り、不意を突いて「下着を剥ぎ」 悪戯に及んでしまったという事件の報告がある。
こういうことにはすべて、醜い偏見差別の観念が下敷きとなっていて、更に、そのような卑しいことでもいいことのように思わせてしまう、組織の企み仕掛けが伏線となっている。
順番が逆でなければ、上の事件の手口がそのまま、北上中学校の下に大掛かりな施設と要員を備えて取り込まれたと言えるのかも知れない。
無理矢理に意識不明にされて無念にも生き返ることのできない、眠っている女性の体に、ブタのように、気の毒とも思わず喰らい付く、極めつけの汚物醜悪の男が、どのくらいいるのか、勝手にどこの地下に張り付いているのか、その本当の魂胆は何なのか、簡単には見えない。