美しいかと (Stevenson)


村上の家が、百五十年の長きに及んで、組織の思惑によって鳴かず飛ばずの状態、中には差別する者がいるような境涯にいて、這って暮らしてばかりいて、誰を相手にしても胸を張れない、並べもしない、「重病人」家庭であるばかりなのを見て、西洋人の方が立てた設問であったようだ。
 「せめて美しいかと」
 K市民の好意的な評価に、精々、清らかな水の流れを遥か下に見下ろすのな、というような表現があったと聞かされた。
 Absolutely not graceful.


 事情はあったが、住居侵入してしまったと、自責の念から自首、申告に及んだ者のようである。