いつの日にか共に席を並べ手を握り


 先日の記事で思い出すことがあった。
 小学4年生の頃、どうしても、隣席の女子生徒の手に自分の手を触れさせようとして止まらないことがあった。
 珍しい、夢の中の事のようであったと思い出される。
 性衝動行動の癖はなかった。
 夢にも叶えたい願い事、いつの日にかは友と席を並べ手を握り共に学べる事を、ではなかったのか。
 村上家の修が混血児として学校で差別された話かもしれない。
 かなりの渡来人家族がY町に入植していたと思われるが、あからさまに外国人の混血であると知られている例はなかったであろう。混血でさえ極めて異様な怪奇なことであったろう。
 友達を見つけて手を握って下さい、と言われた時誰も相手をしてくれる人がいなかった。隣に座ってくれる人もいなかった。廊下へ、とまで言われたのではないと思うが。
 「上を向いて歩こう」が、この時の修の気持ちを歌ったものだと推定されるようなヒントがある。
 人種差別の涙から見上げる夢。 Arthur King Junior 牧師の夢。
「手袋しないと手握れない」 岳村では被害妄想過ぎる言かも知れない。
 修は子供を持たなかった。
 どこかで寂しくすきやき手料理を食べさせてもらったことがあったと思う。