自分を食べようとしている犯人は隠れていない、身の回りにいる

 全体的に見渡すと、上例のような無茶な悪戯にしか見えないものが、結局は、周到に巧みにこの大胆無反省なポルポト作戦の伏線として編まれたものであると分かってくることがある。日本人同士で仲が悪いということがある。地域差別、家柄差別、出身差別、仲間割れ、家族内悶着。
 日本人は先ず、本当に自分を自分の友達を裏切ることのある身の回りの犯人を見極めることである。本当は敵でない者ばかりしか眼に見えていないということが多い。心中にも、仇を仇として見定める腹ができていないのではないか。友人どころか、何となく家族にまでしてしまっていることがある。心がどこにあるか分からない者達に取り囲まれ、知らず心を寄せたり心を通じたりしていることがある。


 何度も言えば、コピー係りのような孤独な自分の家族も持ったことのない退職者を偉くする確固とした計画など一切ない。襲い継いだ者ばかり偉くなるような作戦である。他人の孫子供を見ると羨ましい。年輩の人達の満足そうな同窓会の写真を見ると母の代わりに涙が出るようである。