「ときおが空を飛ぶ」


 上の家の者は時間の者、時の者と呼ばれていた。時間の問題だな。存在と時間をやる。ハイデッガーの著書名も「ときお」由来のものなのかも知れない。(ハイデッガー氏も後半世界内存在状況で顎が上がっていたようだという報告があった) 三島由紀夫氏の作物に、男が時間潰しの独りトランプ生活を送るだけの単純テーマ短編小説があった。植木等さんの場合無責任時代、長さんの場合時間ですよ、と続く。
 デッサン上の光と陰の塩梅で百五十年の長きにおいて「タイム」中であったのである。