日本にもあった三国時代

 簡単なことであった。 大和と筑紫と日向と三国が、並行、同時発展していたのである。
 大和王朝の熊襲蝦夷征討時、以後においても、独自の古墳文化の発展継続があったと思われる。
 日向と大和王朝との関わりは神話に語られているが、筑紫地域の消長と大和王朝との関わりが全く目に見えてこない。
 古代史の研究において、中国の記録ばかりを唯一の学的証拠として、国内の神話、伝説の類を取るに足らないものとする傾向はいささか自虐的に過ぎるものではないか。
 書いた通りの日本国建国のストーリーを素直に辿り、調査する仕事が世にあるべきである。
 赤壁の戦い以後、中国は三国時代を迎え、半島でも三韓三国時代への進展が始まっている。
 九州における高千穂等伝説の二重性もこの三国史モデルの存在を語る証拠なのかもしれない。 どの伝説も二重であってやたらに三重以上であることはない。