龍は一瞬現れる地表の水の文である。

 龍が走り、山中に潜み留まっているように見えるのは、万年に一度のような決壊洪水の一瞬時である。
 今ではダム湖のある所例外なく龍の潜み居る所である。 竜とは実に水の姿から想像された生き物であった。
 東北岩手県北から流れ下る北上川は、かつて宮城県古川を通っていたものと思われる。 しかし決壊洪水時、平泉で大量の泥土を含んだ流れが渋滞し、やむなく一関以南の土地を高台堰止め地にして孤禅寺方面に逃げたものと推理できる。