自分の敵、犯人に気付いて、闘って負けて、いなくなったのではない。

 何と次々と進歩もなく、眼の前のいる犯人を犯人と知らずに、だまされたばかりで、大事な命と財産を奪われ続けてきたのである。
 身近な人間関係のない事件は一つもない。 いくら酒を飲もうがすってんころりんと顛倒しようが、一人では死ねない事件なのである。