せめて普通の人にでも会いたいようだ、と 「マルサの人」 を派遣して机中ゴミの点検にまで掛かった時、あるいはお情けに、アレは哲学秘素を蔵していて、後に哲学ボクシングでもやるのではないか、と口を差し挟まれたのかもしれない。 その現昼食中の中身の検査の眼にお見せしようと持ち出されたのがこの本。 確かに砒素が垂れたようなカレー色をしている。 詩人ボクシングというのは、そのお言葉重しと、前座に組まれたものであろうと想像される。
一家の半世紀間の勤労、貧苦、粗衣粗食節制、謙虚の姿をお目にされてきてのことであろうが、可哀そうならある、と諭すような事を言う人もいた。