地球の気候の原因を大胆に限定摘出してみたい。

 地球には過去4回の大氷河期があった。
 5億年前から現在に至るまでには、大まかに4度の氷河期があって、その内の最大のものでも小氷河期と呼ばれている。
 現代はその4度の氷河期のうち最後の氷河期の真ん中の辺りにある。 従って地球は普通もっと暖かく、現代は温度最低ライン近くにあると思われる。
 1億年内においても、1千万年内においても地球はほとんど変動もなく冷え込んで行くばかりであった。
 100万年前頃から気温は底を打ったのか、安定した変動を見せて現在に至っている。 ほぼ完全な10万年周期が認められる。
 地球の地学的状況が安定しているということだけでは、この水平的な推移への変化を説明することはできないのかもしれない。
 太陽側の条件は、黒点現象と星の一生から推理するぐらいの事しか分からないのである。
 太陽の一生から占うのであれば、太陽は向後一層熱くなる将来しか有していない、と予想されている。
 最近400年間の黒点数の表 (ウィキペディア) からは、100年毎の極小期がはっきりと認められる。
 そして確実に地球の気温の変化に反映している。
 極小期は大体2,30年ぐらい続き、気温もそれに対応してきていた。
 現在はちょうど100年目の極小期に入っていることは間違いない。 現在の資料では2008年には無黒点日数266日というのが最少の記録のようである。 現在が底であるかどうかは関心があるところである。 しかしこの条件では、10年も経てばまた黒点数が増え、地球を暖かくするだけのことである。 太陽の黒点数は死んだままではないのである。
 ここで占いを入れれば、10万年周期からは現代の気温極大期はそろそろ末期に入るはずであり、その通りに5,6千年前の温暖期から気温は下がり続け、更に1千年前、中世の温暖期からも下降中であった。 これは極大期の末期症状とも読める。 
 しかしながらここに予想外の変動が起きたのである。 太陽はこれ以上はないと言えるほどの活動休息期レベルを500年前と400年前に達してからは、100年毎の波はそのままに活動レベル上昇中なのである。 太陽の活動レベルの変動には、100年より長いスパンが確認される。 
 この400年間の上昇傾向は、5千万年間の最後の氷河期の底打ちの証拠と考えられるのではないか。 とにかく1億年の長い間冷え続けてきて、現在一億年間で一番冷えている時代である。 そして下降一方であったのが、ここ100万年の間、踏み止まっているみたいに水平状態を保っているというのは、眼を引くところである。
 10万年周期の平衡状態はやがて脱せられ上向くであろう。 なぜ気温極小期という極点があって、鋭く回復されるのかは定かでないが、その極点に現代があることだけは確かである。
 5億年間の温度表を眺めてみると、この起伏が地球の大気状態とか火山活動状態だけでは説明され得ないある種の反復性が確認される。
 酸素の発生とか大陸の配置の変化とかと対応するような気温の変化では、反復性というものを現じさせることはできない。 計り知れない太陽の活動状態に起因するものと考えるべきであろうか。
 地球側の反復的条件の変化というものでは、100万年周期の軌道離心率の変化が上げられているが、各表から大きな反映を認めることはできない。
 説明されたことのない400年間の太陽活動の上昇傾向を、地球の明日の気候を占う重大な兆候と考えてみたい。
 ところで、今日まで変わらずに続いている10万年周期は、地球の軸の傾きにあると推定計算されている。
 また、グラフは地球の気温が、決定的に地球大気の二酸化炭素の量と一致していることを証明していた。
 従って、何があろうとも大気中二酸化炭素量が増える限りは気温は高まる、ということが今までの基本事実であったようだ。
 地軸は傾くであろうが、100年200年の自然といえども1900年代に戻るぐらいで、ここ50年間の激変に及ぶものとは考えられない。
 また明らかに太陽の黒点数は増えつつあった。 2万年前のヴュルム氷期は地球を覆うような氷河の最寒冷期であり、海面120メートル低下の跡を成したものである、と記されている。 地球寒冷の最極点に近いものであり、地球を氷が覆ってしまうまでに至れば、これ以上冷えるということのない限度があるのであろう。 極点は今後の上昇を待つばかりなのである。
 なお、太陽黒点11年周期によって、平成13年ぐらいまでは気温はある程度上昇する条件にある。
 地軸軌道の変化や大陸変動の大波を受けつつ、微視的には太陽黒点の数そのままの地球の気温の変化であると、教えられることのあった各観測所資料であった。