地球の気候について客観的に認め得る事

1. 5億年以後のグラフに基づくと、低温レベルに限度基本線があることに気が付かされる。
 小氷河期と呼ばれる最初の極氷冷値を除けば、ほぼその基本線上の振幅線グラフとなっている。
 この基本線原則というものを、大陸状況や生物活動の消息で解き明かすことはできない。
 このような限度というものは、天体間の数学的事情の下でのみあり得ることなのではなかろうか。
 地球一個凍っても凍ってもなおも冷え続けることは、地球側だけの一切の理由に関わらず起こり得ることである。
 これ以上は日射量が減らない、という軌道関連の原則が成り立っているとも考えられる。
 大陸が安定したものでないなら、地軸傾きの原則によって基本線を引くということも難しい。
2. これを、太陽の黒点活動というもので、締めくくることも可能である。
 太陽の黒点活動ゼロという状況は私達人間に珍しいものではなく、300年前には間違いなく、500年前にも発生していたと推測される現象なのである。
 これが地球5億年間の氷期極点現象と通ずるものである事に気が付かなければならない。
 現代近辺の黒点ゼロの寒さというものは、実は地球の寒さの限度にも近いものなのである。
 黒点ゼロ時点より地球は冷えることはない、と言うことができようか。
 2008年においても、記録的な黒点ゼロの状況が観測されている。 こういうことは過去の地球史において極めて珍しい瞬間的な到達点なのであろう。
 前回の到達点からほぼ1.2億年振りの、黒点ゼロ地帯への復帰、ということになる。
 下がりに下がり続けて遂に100万年前頃から、周期的に地球全史の寒冷最深点に足が着く時代に入り、現代に至っているのである。

 (最深時点の分かりやすい例として、2万年前の最後の氷期では大陸が氷の山となり、海面が120メートル低下している。 2000年続いたらしい。)
3. 反面、高温の極点については原則的なラインが見られない。
 考えてみれば、ゼロというものはもうこれ以上ない、という本当の限度を成しているのであり、数が多くなる、ということには先験的な制限があるものではない。
 高温マキシマムへの変動も、また、黒点数で説明できることなのかもしれない。 私達は黒点数ゼロ近辺の数しか観測したことがないのである。
4. 黒点数の減少と共にいろいろな現象が起きる。
 大陸の氷床量が増大する。 従って4千年前からは氷床量増大と共に気温が下がっていることが観測されている。 
 しかし、南極の氷床が始まる以前から、地球の温度は温暖の最後の頂点から下がりに下がり続けていたのであるから、氷床量を寒冷化の根本原因と見ることは無理なようである。
5. 100万年前からの水平推移10万年周期時代の表から分かることに、
気温があまりにも相似に氷床量と上下していることと、またあまりに相似に二酸化炭素量と上下していることである。
 一見、二酸化炭素量そのものがすべての原因のように思えてくる観測の記録である。
 ここにおいては黒点数は最低レベルに安定していて、気温の変動の原因となるものは地球の軸軌道の周期であるという説明が一般的である。
 基本的には黒点ゼロ地帯にあって氷河期の期間内であるが、軸の傾きが北半球大陸地球に大きな周期的影響を与えていると考えられる。
6. 地球の温暖正体を体験したことのない人間にとって、
記憶にある限りの最高気温ゾーンはせいぜい縄文時代である。 この時代が100万年間の最高気温の瞬間的頂点でもある。
 正体は、たとえば、天を覆うようなシダ植物と恐竜大型動物の時代をたっぷりと含んできたはずである。 氷床によってこの歴史の膨大な堆積が循環せずに埋もれてしまい、大気中の二酸化炭素量をも減らす結果になっているということであろうか。 
 氷解−二酸化炭素温室効果というサイクルの10万年周期時代と結論されようか。 なぜか、低温期が一般的で、高温期は険しい頂きを成すように短い。
7. 400年間の観測記録によれば、太陽黒点の個数グラフと地球の気温グラフは相似している。
 太陽活動による晴天続きが日射量を増加しているという説明であった。 放射するエネルギー量に要因的な差が存在していないということか。
 この場合は明らかに黒点数の影響力が一番先にあると見ることができる。 なぜ二酸化炭素の増減を伴うのか不明なところである。
8. 5億年の表に戻ると、4回の氷河期の後には必ずその反動のような頂点が立ち上がっていて、その頂に登り詰める道が始まっている。
 周期を見せる地球気温の表においては、数値は大体中央値より低いところにいて、時折に並びない鋭角の頂をめざすように高温の坂を上り詰める、という特徴がある。 
 現代は稀なるその坂を上り始めようとしている時代と言えようか。