昭和の近代詩に陰差すものを推理探偵する。

 本内村に嬰児遺棄事件があった。
 これを 「君、君」 と呼ばれていたという西のばあさんの兄なる人の、青春の肉体の門たるエピソード、とばかりに思い込んでいたが、真実は異なっていたようである。
 従姉妹とのダンシングヒーロー恋愛事件というものは確かにあったと思われる。
 従姉妹の人は、ワシントン族の生き残りで、背が高く、容貌もエリザベス女王陛下にも似て木蓮の花のような色白の美人であった。
 この 「高遠妻」 型の女優が、日本の演劇界のディーバの位置を占めてきたのであるが、遠回りにも実縁関係があって似通っているのかもしれない。
 何しろ、ナポレオンとワシントンと同類の先祖がいて、世界史用意ドンをして、一人だけ待たれている子孫達であるというのであるから。
 アフリカの女王を演じるキャサリーン・ヘプバーンのモデルとなった人と思われる。
 そのまま夫婦となればよかったのであろうが、「従兄妹同士ではよくない」 という思い込みが、どこからか覆いかぶさってきたのであろうか。 キャサリーン・ヘプバーンの方でも流れを統合する気で、積極的なことがあったものと想像することができる。
 「振り向いてもくれない」 ということになって、晴れて結婚する余地もないことになったのであろう。