その予定された将来をかわすためのいろいろな計算があったものと推理する。

 その分日本人の犠牲が求められる、新手侵入団のための資金海外供与。
 結局特定の者ばかりが大儲けするという妄想。 世話の要らないことだったのかもしれない。 組織最後の当て込みとして、自ら突っ走った清算算数であったのかもしれない。
 確かにこの期に及んで、当て込まれた者も家族を一人残らず亡くし、出歩き不自由で安心して食事もできない。 少しも有り難いことはないのに、この者のちっぽけな挙動が、大出世運動の最後の賠償請求理由となって目を引くという、たまげたアンバランスを生じているのである。
 無理にもこの者が一番の果報者になるはずだ、という見え透いた嘘の構図を崩そうとしない。 狡いことが隠れていないか。