ずばり、英国には英国人を出し抜いて国の偉人となった日本人はいなかった。

 たった一人、近眼の、声も震えるように弱々しい島倉千代子さんが、生垣の花びらに顔を押し付けるようにしては、知らずの内に英国の王室の庭に立ち入っただけ、という極めてもの寂しい英国土日本人騙り話となってきたようである。
 最初から何も聞き知らぬ人にとっては世話のないことであるが。 (しかし、アジアの小島の肥土に咲きそろったこの世の花々が、幾度英国を訪れてはこの世のパースペクティヴを我が物としてきたことか。)
 かえって、逆に日本が遺伝子的に夜盗インされ続けてきた、というのが歴史の真実であるようだ。