獣姦罪の実体

 ファーっと毛のモノを腹に巻いていた、また首に巻いていた所を見つけられ、科にされたというに過ぎない。
 毛皮の襟巻というわざとらしい防寒具があるが、そのままに毛のモノを首に巻いて暖を取っていたある時の記憶を記念しているものなのではないか。 ファーっとやるとポーっとなる。
 誹謗の罪ではなく、毛物とそのようになじんで暖を取ることは、本当に禁固刑に処されることであったのかどうか。
 世界塔とでも言うべき収容の建物が望楼のように聳え立っていた。 その記憶が何かの経路で今に伝えられているのであろう。
 城外派出後の人々の生活は様々であったと想像される。 人肉イニシエーションの起源もここにあったのかもしれない。
 ディアスポラの遥か以前の事である。
 そのようなはるかな昔の人が、どのような世界各地域のシニアとなっているかは知れたものではない。
 ギリシアソクラテスであったかもしれない。 ローマのユリウス・シーザー家系を疑えないだろうか。 ドイツの文豪というものは大体そういう由来で揃えられているのかもしれない。 トーマス・マンとかヘルマン・ヘッセとか。