本内村分家想像。

 分家本家は二軒あった。 兄分家から、西部警察子孫の先祖兄弟達が、海外に旅立ったものと想像される。 通過儀礼として組織の待遇から見放され、一種泥棒的な放浪生活に追い遣られていた時期があったらしい。 タルチェ館から逃亡してボート漂流民となり東シナ海を北上したものと考えられる。 (口から潮を吹くような頑固な顔の兄貴がいる。 乾パン。) 北帰行。 顔が垂直である。
 弟分家からの子孫は、村内での所在の通りに、大回りに日本国土に配置されていたようである。 出会った時に顔をしかめていたのか、特徴のある二枚目として映画などに登場している。 北海道からは三船敏郎氏。 山城新吾、大川橋蔵、黒淵建造、みのもんた氏なども疑っているが、三船氏の場合顔を顰めたように眉目秀麗なのであるのとは異なっている。 (恐らく出会った時に、唾して顔をしかめていたのであろう。 髭をもじゃもじゃに生やした椿三十郎とは、その時の身なり顔付きの記憶を名前に表したものなのではなかろうか。)
 一見眉目をひそめた様な美男美女ならいたいた、ナナじゃないか。 松嶋七子。 太田なおこ。 その名もナオミ。 ナナとは筋が違うのかも知れないが、なおりお母さんもいた。 そうか、赤石はナナ近辺人が派遣されていた地域だったのだ。 良子もナナじゃなかったのか。 三十郎とは弟分家の順番で言ったのであろうが、七重郎とは一筋ナナの者であることから言うことなのであろう。 不思議にチョコレート色をした肌の種族がいる、と百科事典に紹介されていた。 シャンタラーと言ってもただの駄洒落ではなかったのである。
 思えば、エリート達とはほぼ例外なく組織施設の子孫であり、母親も例外なく上陸人である。 そしてロシア人が多い。 日本国のエリート系人数湯田町系も沢内村系も北上市和賀氏系も伊藤系も菅原系も藤系も、元を辿れば、多く東西混血ロシア人を母親としていることが見えてくる。 大まかに言って、ロシアは遺伝子的には日本の北海道面積を占めている、ということもできるのである。 
 加治屋家は村内においてこの弟分家そのものではないが、混同されていることがあるのかもしれない。 現状において、加治屋家の村内及び国内における存在が大きすぎるのに引き換え、弟分家本家は村内になく、子孫の系統も定かには見えない。 自然、弟本家を梶谷家と間違えてしまうしかなかったのであろう。
 梶谷家の先祖の特徴はミッキー・カーチス氏にそっくり写されている。 高々と出会うという宿命を抱えさせられていたようで、一説によるとアメリカの大統領にまで登っていたようだという推測がある。 国の最高位を目指す、というエントリーナンバーがあるようである。
 先述の先輩住民朱氏子孫を家老家子孫と知った組織が、顔の似たアラブ系ロンドン住民からロシアを経由して日本に送った遺伝子であったようである。 米大統領にもアラブ人のような手長足長な印象を受けることがあったが、上記の巡りによる類似であったのかもしれない。
 兄分家の出分家が新家である。 出会った時の印象とは異なって、その位置するところから、気の利いた鼻筋の、軽快に飛翔する冒険タイプを用意されたものと想像する。 若い燕。 せめて空を飛ぶスターとなるよう、叔母に願いを掛けられたという 「フィリップ」 少年の遺伝子と、橋の下子孫現場で出会わされていたものと推理する。 本来は、並んで、鈍感なような丸頭、鼻筋の顔形の家であったと思われる。 歌手で言えば、山下敬一郎。
自分がそのままに言われたことであるが、他人を二段下、橋の下者にからかう作戦があった。 ちょんび、村地でビリ。 これからであろう、上の家の者を足先にくっ付けた最下の水虫のように思い込ませる、こっそりとして執拗な地下脈工作を張り巡らせることもあった。 足先にくっ付けた水虫とは、そのまま地下自らにこそふさわしい表現なのである。 
 繊細な眉間の感覚は満州人からも用意されたものと思われる。