テレビン油は肺病患者の寿命を縮めていたか。

 画家が他に抜きん出て長寿であることの理由として、絵具溶剤の松脂のテレビン油を取り上げたことがあった。
 松脂をも溶かすテレビン油が、脳の毛細血管の流れを良くする効果は間違いないことと思われるが、揮発性の油は肺疾患を重くする効果も有していた。
 昔大流行していた結核病患者の入院施設がある所というと、大概松林があるような高燥な感じのする土地であったような気がする。 サナトリウムというと松の生えた丘の上とか。 
 肺の健康には乾燥した空気は逆効果なのではなかろうか。 そしてまた松の樹から発せられる揮発性物質も肺を痛める悪因となっていたのではなかったか。 結核菌自体は太陽光で消毒可能であった。
 結核菌を塗るような作戦は昔からあったと聞いている。 松林サナトリウムも医学レベルを出し抜いた生存競争の一手ではなかったのか。