もう五年以上も前の事であろうか、現英王室の偽親子情報、という心試しのようなインターネット記事を眼にしたことがあった。

 今日その疑惑にお粗末ながらもお答えしてみたい。
 日本では一掃するみたいな子供取り換え事件が頻発していて、探り出すと疑わしいこと切りがない。 
 ここで父と子とそんなにそっくりなはずがない、と落ち着いて実際の親と子の顔写真でいくらか親子鑑定の実地訓練のようなものをしてみたことがある。 調べるには王様方の肖像画に当たるのが容易である。
 訳あってロシア最後の皇帝のお顔に関心があって、やや疑念を抱くことがあった。 しかし落ち着いて何代か遡ってみる。 これは疑いきれない実の親子関係の例である、と一応解決することができた。 親子とはこのように顔が遷り行くものなのであるという勉強は、やはりその気で臨まないとできないことなのかもしれない。 このような疑問点で人の顔を調べ、他人の家庭内をあまり覗いたりしないからではなかろうか。
 現英王室の知り得る限りの御家族御親戚にも疑いのある方は一人もおられない、と草卒ながらも鑑定できるようである。 出産現場に及んでも不信実のない国であった証拠であろう。
 現王室は発端においてドイツ、ハノーバー公国の血統であり、更にコスモポリタンヴィクトリア女王からの相続においてもドイツ、ザクセンコーブルク公国の御子孫であった。