もう一度なぜ純朴な舞が永遠のプリンセス候補に選ばれたのか。

 一見したところ、男かと見紛うほどにごつごつとした顔立ちのようである。 足技に自信があったのかもしれない。 普通女性がいくら怒ったとしても足刀を繰り出したりはしない。 足を見てウン、力がある、と見立てられたのかもしれない。 活動的で自信のある所がいい、王室もその野育ちの良さを認めてくれるであろう。 
 膝を出す仕草も幼くて、少しは私も大人になったでしょう、というのも悪くないではないか。 瀬戸の花嫁である。 どうせ背丈では間に合わない。 文化たって、西洋と東洋何一つ合う訳がない。 熟慮ある方なら、日本の何がいいたって、健康で頑丈な若い遺伝子こそを最も高く評価されるのではないか。 少し捻ったウィットではあるが、曲がったカーヴ玉を受け止めて下さるに違いない。 日本人の高など知れたものである、健康が一番ではないか。 しかしこのカーヴ玉を王室側の一人は、確信犯的に失礼を働いたものと判定してしまったようである。 
 脚の注文は予め王室から出されていたものなのかもしれない。 アイススケートの、舟のマストのように脚を突き出して見せる E 難度の技があったが、瀬戸の花嫁の無念を記念して繰り出された技なのかもしれない。 顔も舞そっくりな四角な荒川選手が始めた技ではなかったか。 もしかして脚を足と間違えてしまったのかもしれない。
 ついでに付き人の一人に老婆のような人がいたのではなかろうか。 青島幸男意地悪ばあさんのような人が、出身地を淡路島だぁ、と白状したのであろう。
 王室の方では本気であったようである。 フィアンセ? コンフィデンシャルがないな、と王子様はまじめに悩んで夜明けのスキャットのようであったというような精神状況が伝えられている。