血筋の一回二回とは母親縁の算数に限られる。

 俺は何回も大名縁だと自慢される方がおられるとしよう。
 確かに自ら大名苗字の父親の三男坊であったりした場合、直接の母親に多くの血筋が混在していることは自然な事である。
 父親にも同様に多くの血筋が混在している。 しかし先祖代々として辿られる所の父親ラインを一つの株と捉えるならば、混在血筋の原因である枝血筋は常に母親縁にある。
 従って、実際のお大名様の子息が自慢関係を一回二回などと数えるはずもなかろうが、もし一回二回とかと自分の苗字でない何かの血縁範疇を数えるなら、それはどちらからであれ、すべて母系に因縁する血筋であるということになる。