上の家の者を何でも縁起悪く言おうとする者がいる。

 大体が自分自身親の顔も見たことのないような、苗字も系図もない組織子孫達の口仕事と決まっている。
 上の家の父親は、白昼九州から上がった者であり、母親は近隣の旧家の娘である。
 従って、当地の実家と連絡のある縁戚の者達は上の家の者を六部呼ばわりはしない。 今の父親が上の家に収まるまでのドタバタを昨日の如く覚えているはずである。 得体の知れない登場者であることを大問題にしているのであるから、六部呼ばわりなど問題外なのである。
 今の若い者なら、かえって地域の事を私生児達に教わって、上の家の歴史も定かでないまま、人のことを六部呼ばわりすることがあるかもしれない。