ジャパン・リーフの磁気フトンはなかなか攻撃的な犯罪商品であった。

 悪質さにおいて程度の高い方の部類であろう。
 はっきりとした効果を示していて愛用者を不健康状態に落とし込んでいる。 その日使わないだけでもある種の症状が消える。
 磁石とヘモグロビン中鉄との引き合いで血流に滞りが生ずる、という簡単な原理に依るものと思われる。 大腿部での血流検査によって流量の多少が見られた、という情報も届けられている。
 とにかく磁石は血流に悪い、これは簡単であからさまな事実であり、その悪効果はどのような言い訳をも許さない程明白である。
 主犯者はもちろん地下組織であり、開発者は「サバリアス・ヤンセン」というオランダ系米英人だという。
 被害者は一般日本人。 規模は小さいが、インスタントラーメントラストと同列であろう。
 本名井村西の家分家の子孫グループ一端の経営荷物であったようだ。