高額所得者だけが思う存分に歩ける国である為のいくつかの「策略」

 (人の世には、200万円以下の低所得者が2割もいれば、東北大東大、医学部を占拠するばかりの1000万円台から700万円台の優待民もいる、ということを共通の事実認識とするのでなければ一寸分かりにくいことかもしれない。)
 一つに、車検ローン大国。 二年に一回の車検費用は、低所得者にとっては馬鹿にならない臨時費負担である。 支配者たる高額所得者達は、被支配者達のあくせくする姿を見て、満足げに笑い眉毛になっているのではなかろうか。
 また一つに、人気のあった長距離急行列車を廃止して、新幹線専用列島にしたこと。 
 ちなみに、上の家の弟は偶に仙台と北上を往復にするのにも、新幹線は利用できず、急行もなし、一関駅乗り換えの鈍行をつなぐ他なかった。 姉が北上に来るとなぜか悲鳴を上げるように、高々北上から仙台に帰る列車の為に時刻表一冊を買い求めるのであった。 19歳で一関の闇夜に息の根を止められた弟が哀れで哀れで、泣き弔いをしていたのではなかろうか。 金欠病で本も揃えれないでいたという。 (そして間断なくエロ温泉に浸けられて歩かせられていたという。)
 また一つに、世界で最も高い固定資産税。 金持ちでなければ不動産発展を目指すことは困難である。 
 以上、支配者側からの告白であるが、本当かどうかは分からない。 貧乏人を更に蹴落とす為とは異なる十分な理由があっての施策なのかもしれない。
  弟が可哀そうで可哀そうで泣いていたに違いない姉が被っていた帽子と時刻表。 この場合は小型の時刻表であったが、いつもは精一杯の大型の時刻表を買い求めてくるのであった。 帰りの片道列車一本の為に。