結局、池辺正太郎の専らの探偵対象は上の家ではない。

 真っ直ぐな若者たちのあっさりとした身の振り方が、世界最長シリーズの発端であった。 (真っ直ぐ、真っ直ぐというので、タルチェ館焼酎の紙パックのように皆顔が長く、垂直な二枚目となって北帰行することになる。)
 人を疑うことのない若者は、言われた通りに上の家一族の命の綱である米在庫を払ってしまう。 そして、・・・
 とにかく、池辺正太郎先生の残された推理報告を読み取り、教わってみるべきではなかろうか。
 組織や地域の人から何か聞かされて悩みとしてきた人もいたはずである。 組織との付き合いで被害者となって来た人も多かろう。 
 不公平に他人ばかり血が悪いと言い立てる忘れ物国民が多い日本においては、お互いに確認し、配慮すべき組織誘導、組織主動の事実解明例となるに違いない。