湯田町在住の三枝氏は本人ではなかった。

湯田町目撃の三枝氏は本人ではなかった。 後顧の憂いを去り、本人は、百代の名誉を持して日本国の父親の如く東京都の正面に位置しておられるはずである。
確かに、氏はたしか九十何歳かの御老齢でこの間天寿を全うしておられたのではなかろうか。 自ら末には日本国総理大臣になろうという夢さえバトンタッチし果せて。
先祖三枝氏は移動ごとに、水平線を眼間にするギリギリの地に住所を新設している。 「裏見」探偵をしていたのである。 これは意外な事実で、友人の誰も伝える所ではなかった。 山脈の向こうは外国人である、と語ることがあったと記す何かのメモが残されているようである。 山脈の向こう側からは外国人である、と率直に気が付くことも稀であるが、不用意に口外することはまた更に危険な事でもあった。 結局、裏見探偵して、海辺を渡り歩くような人物は日本国に氏一人だけであった。
今日の三枝氏の行状は、無自覚にもこの先祖の行跡を写すものであった。 即ち、すっかり地下組織の接触介入するところの振る舞いであった。
三枝氏の父親も近代の地下組織の所行については眼が通っている方の人であったようだが、これは少数派であったろうか。 トイレ穴覗き見事件によって、父親は自分の屋敷の下にいる者が誰か目星を付けることができた。 穴ルートを辿る為に実際に地下を歩いてみたのかもしれない。 勤務の者が疑わしいというような話をしている間に、氏は目を涙で腫らし泣きながら天皇家の洗い浚いを語り始め、何時間も止むことがなかったという。 同輩相手には軽率に吐き出し晴らすことのできない鬱積であったろう。
かくして、三枝氏親子は、私生活現場においても地下が働いて影響を及ぼし続けている、という自覚の共有者であったに違いない。 ある時に息子の振る舞い方を観て、氏は、頭が残りなく行ってしまっている、と評したという。
先代の三枝氏の振る舞いは、自覚せずして先祖三枝氏の所行を振り返っている。 宝を失う。 単身赴任時、一夜妻を徘徊捜索する。 人数を求め集金歩きをする貧窮者となる。
東京都正面において、私生活干渉の疑いある女性を観察するために、女性の近くに寄る。 その女性を観察するためにこの地域まで歩いているのだというようなことを話していたことがあったという。 本来あまり遠くまで歩かない人であったという情報がある。 (探偵探索に歩いた父親の前例があった。 実を言えば、父親はトイレ覗き見事件捜査の途上において命を落としていたのであった。) すぐに犯人と疑われ、処罰収監されるに至る。 以後「マンション」経歴者の青シャツ半生に徹する。 尊敬したくても 「背広がない。」 私生活住居はその女性実家の所有であったという。 女性は、オカズをやって下さい、と宝置き引き事件の被害者方に秘かにお金を渡して、子供を抱えた三枝家庭の生活の心配をしてくれていた恩人であったのである。 これでは文句なしに完敗である。 お世話の気配を逆に、犯罪誘引を働く穴ルート工作員の証拠であると勘違いしてしまったのではなかろうか。
今、更に大胆な解釈のヒントに与かることがあった。 宝を盗め、と地下からの誘いが明確である。 氏は前の屋敷にいた頃から、地下活動について見聞することがあった。 そして父親が別人に入れ替えられている。 盗もう、誘われた通りに。 そして父親の如くに犯人を捜してみよう。 更に疑えば、氏を宝盗人にしようと誘い導いていたのは、確かに女性の背景ではなかったのか。 それを知った女性の特別なる同情と、更に地下に誘われるままの背景人女性との遭遇。 「我も行く、こころの命ずるままに」
加えれば、女性は将軍家の子孫系列に繫がる方であったという。
更に、氏は、身近の人から、私はとてもかなわないが、仲間は脚が長くて人口働きしているわよ、というようなことを聞かされていたらしい。 
とにかく氏は戦後間もなく、後顧の憂いを払って、本人でない過ちの身を「失す」ことを決意されたのである。
グッドナイトベービーみたいなお顔の人が、箱根辺りで女性を強姦殺人していたという報告があるが、信ずる人のない評判行為というものであろうか。


先ずは安全情報
 
 色仕掛けの飲食。 これを告げれば、大体があばかれたことになる世の中であったようだ。
 この色仕掛けの飲食手口が組織世間から漏れて、警察の捜査対象となり世間に知れたのが、あの催眠誘導剤というものであった。 安易な、やり損いのない殺人の手順である。
 しかし現在は、張りのある肌(顔面、ペニス) あるいは指他の皮膚への塗り込み、膣内ペイント他による皮膚透過術への発展があるようである。
 電撃現場。 地下室内他での隠れた筒先。 北上市上の家家屋周辺に多い。 設置しやすい小型のものや体に当てて使用する携帯型のものもあるというが、本当かどうか分からない。 
 旅館、美容院、医院、サロン、陶芸教室あるいは近隣住家、運送現場自宅、また観光地、店舗奥等人目のないコーナー。 店、建物毎の判別が必要なレベルにあるようである。  
 友人隣人を疑うことがまだまだ足りない
。 
 明日は、手口に気が付くことにしかない。 





高校の教科書でさえ、なのめならずに告知切迫している。 また、絶対日本にない、という踏ん張り方も尋常でない。