紀氏伝解釈

 紀氏は武内宿祢の子孫。 葛城、平群、巨勢、紀、蘇我と兄弟別れ。 最高家柄臣連の臣。 有力豪族。 連は神別氏族の首長に与えられる姓(氏尊称)。 従って紀氏は神別氏族とは異なる。 武内宿祢は孝元天皇の曾孫ということであれば皇別子孫ということになろうか。 仁徳天皇の代まで大活躍したという武内宿祢の実在は疑いがたい。 子孫もいたであろうから、五兄弟の古代史における活躍も自然な事と言える。
 紀氏はその名の通り紀州、紀の国を本拠とする。 母親が紀の国の姫であったということに由っているのか。
 歴史の巡り合わせで紀氏のお顔は今日においても確認できるようであるが、他の兄弟四氏の行方は不明である。 比較顔探偵は叶わない。
 ちなみに、神別氏族の名を掲げる。 大伴連、物部連、中臣連、忌部連。 神別とは天皇家の子孫ということではなく、神代の神々の後裔であるということを意味する。 神代とは神武天皇の前までの時代を指すのであるから、改めて考えてみると意味奥深い。 連盟早かったという事だけなのかもしれない。