オランダ辺りのクリークみたいな小川でのんびり釣り道楽していた様で、その相続者(ヘアー)を見つけると、今も一人世間の裏で長々と釣りしてきたみたいに、隠退的で小柄だったという。何か400年の平穏みたいな世間知らずなことを言っていたというのだから、罪のない人の善い人たちであったということだろう。


戦前には「あれはイドだ」と、大将が指差す団体があったようだ。
アジア人のことではないが、被植民地民族に自主的にも誘いかけた傘下グループがあったということだろうか。
戦後、アメリカの大使みたいな人が、以後も来航活動を指導するなら、道義が立たないよ、と肩を叩いたことがあったという話があった。


先生として丸顔の女性が現れることがあるが、はるか昔学問好きの女王様のお顔を拝借したのであるかと思われる。
昔の宮廷を模するような設計もあるのであろう。
この間、北欧の哲学小説が大ヒットしたことがあった。
何となく北欧方角に、特別な本部があるように思わせる構えがあったようだ。
小説では、かの大佐が氷山の一角のように隠顕して、彼のバークレー思念でこの世界が映じているような、風船玉のようなファンタジーが、最後に押し付けられることになっていた。
バークレーでもビャクレルで、青くてつぶれているようなものとして捻られたものであったが、また、このイギリス人の地下活動の隠れた支配力が風船玉のようにあまりに幻想的に盛大で、現実性を得ることができず、人の世にバランスの取れた位置のあるものとして現れることができるだろうかという、不気味で不安な読後感を鬱陶しくも抱えさせられたものである。


昔の学問釣り団体に敬意を表し、それを記念する意味で、分別の府のある所として、北欧を指差しているのであろう。