世界現象であったロックフィルダムの大放流


という前ページの記述を読み返したら思い出されることがあった。
 昔物理学の問題の関心から読んだ本の中に、アメリカの教授の、ヒモ論に繋がる根元粒子の成立を語るものがあった。Y町は谷間の町であり、近国無比の景勝地と讃えられているほどの、険しい峡谷を挟んで他地域と隔てられている。しかし長い山脈中の唯一の窓口であるため国道が走っていて、今、讃えられてきた峡谷美を一望の下に収めることはできなくなっている。安倍の比羅夫、源の頼朝一方の進軍ルートであると推定されている。宣教師さんが苦労するから、汽車で行けるような秘境地にしてくれ、と作戦会議のテーブルで主張したという話が伝えられている。年代が定かでない。秘境地主義というものが立てられていたのであろう。旅チャンネルに汽車で行ける秘境地、秘境駅を訪ね歩く番組があった。物の根源は六次元に捻られ縛られたヒモ自存体であると算出され想定される。永遠に解けないような因縁によって、一切の物体の壊れない根元粒子となり得る。この粒子はある密室空間内の波動重合みたいなことによって誕生し、狭い隙間から世界に向かって無数に噴出し、世界を作っているエージェントとなっている。Y町を抜け出る峡谷は、大昔天狗だかが矢を放って、射抜き開けて通じさせた跡であるという伝説がある。その時の一時の激流の仕事の跡がW川岸沿いに点々と見られる。デカルトが重力を理解しようとして工夫している時に考えに入れているのは、正六角形を十二面持つ、正十二多面体であった。地下活動とは別に、深い考えのある物理学書であったのだろう。