しょうけいしたのだ、俺達。

 珍しい、幼年時代の記憶がある。 一度限りの事であるが、白い果肉のあけびの食べ歩き競争に連れられた事があった。 数が問題で自ずと小計遊びにもなっている。 その時、あけび、22個。
 江戸時代、何世代にも渡って、諦めることなく非道の侵入に憤り続けて来た長年月は美談と言うには過小である。 今その家にその流れある人達はいない。