西和賀町関係者のチルドレンも底知れないようである。

 新し家というのは西の家の分家である。
 推理であるが、旦那と呼べ、と言われたから怒った護摩壇本家の弟の西の家の若者は、執拗に戦い続け、勝ち続けてきたようである。 藩のお定めに背くことであるから、すべて時代仕掛け人の丸投げ火付け戦法のようなものであったと思われる。 直進して向かってくる坊主頭の若者に、犬みたいに、ランと呼び掛けた、と聞かされていたが、どうやら、ラウンドと声を掛けたもののようである。 手を回す身振りが届けられる。 こんなに攻撃されては相手も黙っているはずがない。 守りに柵まで回して警戒している。 そこで、こちらも、と村道に面して長屋門代りに置いたのが新し家分家ではなかろうかと推理する。
 新し家の人の断定として送られてきた情報では、もはやこの集落に昔の血筋のままの家は、自分達以外には一軒もなくなっていたという。
 すっかり揃えようとして、新し家にも侵入者が入ったのであるが、長い努力の末であろうか、侵入者子孫をあちこちに配っては、自分達が近隣から帰宅を遂げるという、殊勲の一勝を過去に誇っている家であるそうであるが、そのいきさつについて詳しく聞かされたことはない。 とにかく侵入者が家に入っているのを見て、憤激したとまでは聞かされていた。
 藩の定めに始まった事とはいえ、結局新し家本人では伝統的にこの間まで、上の家の相続に密かに反対し続けてきたことになろうか。 
 新し家のチルドレンも多く、前回並べたK市チルドレンのもう一つの大きな配給元であったようだ。
 チルドレン先人の家であったらしく、世界各地にも大勢おられるという情報があった。
 その目標で行く、と専門的にがんばったものだという。
 カイ族と称して、東南アジアでも所在知れない広がりがあるようで、南米では、一国民を成していると言うのであるが、グループの目標とすればそういうことも可能なのであろうか。 このことについては、西側のよくあるペテンだ、と疑う人もいるようだ。
 りんごちゃんパターンとしては、美空ひばりさんが相当するのではないかと勘ぐっている。